NJ

日本語ジャーナル:日本語を「知る」「教える」

ミャンマーからミンガラーバー(こんにちは)!

ミャンマーからミンガラーバー(こんにちは)!

皆さんはミャンマーという国についてどのぐらいご存じですか。実は今、世界中で最も日本語教育熱の高い国の一つなのです。(NJ編集部)

まずはミャンマークイズを解いてみよう

まずはミャンマーに関するクイズから。

  • Q.1 ミャンマーの民主化運動の指導者として有名な女性政治家は誰でしょう?
  • Q.2 ミャンマーの首都はどこでしょう?
  • Q.3 日本とミャンマーではどちらの国土面積が広いでしょう?
  • Q.4 ミャンマー国内での日本語能力試験の受験者は2012年から2017年の5年間で何倍に増えたでしょう?
  • Q.5 なぜミャンマーでは日本語能力試験の受験者が増えたのでしょう?
A.1 アウンサンスーチー

軍事政権に対抗した国民民主連盟(NLD)の党首。1991年にノーベル平和賞受賞。現在は同国の事実上の首相のような立場にあります。 

A.2 ネピドー

ヤンゴン(旧称:ラングーン)から2006年に首都が移転しました。しかし今も最大の都市はヤンゴンです。

A.3 ミャンマーの国土面積は日本の1.8倍

ちなみに人口は日本がミャンマーの2.5倍です。ミャンマーでは天然ガスや石油などの天然資源、鉱物資源や宝石なども多く産出します。

A.4 約9倍

日本語能力試験の受験者が2,420人(2012年)→ 21,923人(2017年)と5年間で実に9倍に増えました。

A.5 日系企業への就職を希望する人が増えたため

日本語学習者急増の背景にあるのは、日系企業への就職を希望する人が増えたこと。また、4月から始まった特定技能の対象国にもなっています。

ヤンゴンで特定技能対象クラスがスタート!

ミャンマー最大の都市・ヤンゴンの目抜き通りにある日本語学校、アミクス・グローバル・ミャンマーで、8月から新しい日本語クラスが始まりました。通ってくる人は日本語力を伸ばした上で同時に特定技能試験にも合格して、来春には来日して日本で働きたいと思っています。教材は、日本で生活する上で日本語が実際に話せるようになることが大切であることから、「できる日本語」シリーズを使っています。

開講に先立ち現地入りした日本人スタッフは、まずミャンマー人日本語教師の日本語力のレベルチェックと集中研修に取り組みました。その甲斐もあり、ミャンマー人日本語教師3人と日本人教師1人の4人体制で、開講に漕ぎつけました。

「ミャンマーでは、自国のプロダクトがほとんどないので、電気製品も日用品もほぼ輸入に頼っています。学校の近くの家電量販店に行ってみたら、日本では2万円くらいで買えるプロジェクターが8万円もするとのこと。日本で買って次回来るときに持ってきたほうがいいねと、日本在住経験のあるミャンマー人スタッフと話しました」

「日本では当たり前に使っている文房具も同様に高価で、『あれ欲しいな』がすぐに叶うとは限りません」

「他の国でもそうですが、ミャンマー人の日本語講師の日本語レベルは高いとは決して言えないのが現実です。でも意欲はとても高く、初めての教授法に戸惑いながらも、何とか模擬授業ができるようになってきました。自身の日本語学習にも引き続き取り組んでいます」

日本人スタッフの1人はクラス開講までの苦労をこんなふうに語ってくれました。

何事も予定通りには進まないのがミャンマー流?

苦労話と言えば、もう一つ。

今回、1週間のうちに2回停電がありました。1回目は午後から停電になったため早めに日本語の研修を切り上げなければならず、2回目は何と朝から停電でした。停電になってしまうとあらゆる計画が狂ってしまいます。何事も予定通りに進まないのがミャンマー流なのかもしれません。

ヤンゴンの7月の午前6時の気温は既に27度、湿度は90%でした。この厳しい天候の中で、クーラーはおろか扇風機を回す電力すらない中でも、日々日本語の勉強に励むミャンマー人のためにも、ぜひ電力不足と停電の問題が解決されることを祈っています。ちなみにミャンマーの電力事業については日本は最大の支援国だそうです。