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『日本語』に予想以上の大きな反響。心から感謝申し上げます

2019年9月6日にとうとう『日本語』が発売されました。Amazonでは大変多くの方々に先行予約をしていただき、またSNSでも拡散をしていただきました。本当にありがとうございました。8月は仕上げのチェック作業を経て、印刷所や用紙会社とやりとりをしました。(編集長)

素材の良さを生かしつつ校正する

本を作る際に編集者が最低限守らなければならないことは何だろうか。私は情報の「正しさ」にこだわることだと思っている。いくら著者が有名人でも、タイトルが人目を引いても、価格が安くても、たとえその結果としてその本が何十万部売れたとしても、本に書いてあることが正しくないのであれば意味がない。

この場合の「正しさ」には、「事実として正しいのか」「日本語として正しいのか」の大きく2つの側面がある。事実としての正しさを確かめるためには必ず裏を取る。日本語としては誤字脱字がないか、文字表記ルールが統一されているか、もっと「こなれた」言い方はないかなどを複数の編集者の目でチェックする。

文章を校正する作業は文字を少しずつ削ったり直したりして進める。ただこれをやりすぎると書き手の味わいまでなくなってしまうので注意が必要だ。旨味を残しながら雑味だけを消す。この塩梅が何年編集者をやっていても難しい。

8月の編集者日記

8月〇日 猛暑

鉛筆で修正候補を書き入れた初稿を著者に送り確認をお願いする。著者は候補の中から修正するものとしないものを判断して、編集部に初稿を戻す。こういったやりとりも、以前『月刊日本語』を作っていた頃は郵便(急ぐ場合はファクス)だったが、今はインターネットがあるから便利だ。

8月〇日 晴れ

表紙に使うイラスト原画が編集部に届く。いつもお願いしているイラストレーターさんに描いていただいたネコのイラスト。原画が届いた時はいつもドキドキしながら封を開ける。今回も素敵なイラストだ。編集部内に小さな歓声が上がる。

8月〇日 猛暑

印刷所入稿日。入稿の直前は編集部が急に慌ただしくなる。表紙、本文、写真、広告……データに漏れがないかを一つ一つ確認したものを印刷所の担当者へ託す。この受け渡し時間が大抵の場合に夜、場合によっては夜中にズレ込む。いつも最後まで付き合ってくれる担当者にお詫びと感謝

8月〇日 晴れ

『日本語』は紙書籍と同時に電子書籍も発売する。印刷所が作業をしている間に、電子書籍用のデータを整えたり、宣伝用の文章を書いたりする。一足先にAmazonで先行予約が始まる。予想以上に好調な滑り出しに、営業担当者ともども胸をなでおろす。

9月〇日 晴れ

倉庫に200冊の真新しい『日本語』が納品された。毎回のことだが、刷り上がったばかりの実物を手にしたときの喜びは何物にも代えがたい。検品をして、今回原稿を書いてくださった方々、お世話になった方々の顔を思い浮かべながら、礼状と共に献本をする。心地よい達成感と一抹の寂しさを感じながら。

こうして5月から始まった『日本語』プロジェクトは無事完結しました。この原稿を書いている最中にも「この本は今後も引き続き出すのですか?」という、ありがたい問い合わせをいただきました。

ご感想はぜひ編集部へ!

『日本語』をお読みいただいた方は、ぜひご意見、ご感想を編集部にお寄せください。楽しみに待っています! 

株式会社アルク日本語編集部

日本語 (アルク地球人ムック)

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