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「今年の漢字」を予測してみる

今や年末の風物詩ともなった「今年の漢字」。今年は12月12日(木)に、京都・清水寺において発表されます。「今年もいろいろなことがあったなー」「1年が過ぎるのは早いなー」などと毎年同じような感傷に浸るだけではもったいない。ということで、皆さんと一緒に「今年の漢字」を予想しながら、この1年を振り返ってみましょう。(編集長)

「今年の漢字」とは

財団法人日本漢字能力検定協会が、その年をイメージする漢字一字を「今年の漢字」としての公募し、最も応募数の多かった漢字一字を発表するものです。1995年から始まり、今回で25回目になります。

最有力は「令」か

2019年の最大のニュースは、新天皇が即位し元号が31年ぶりに変わったことでしょう。元号は「令和」。今年の漢字は、この元号から選ばれるのが最有力ではないかと思います。「令和」という言葉は万葉集に由来するとのことですが、元号に初めて使われた「令」という漢字には、以下のようないろいろな意味があります。

①命ずること。いいつけ。「命令」、②おきて。のり。「法令」、③長官。「県令」、④よいこと。めでたいこと。「令名」、⑤他人の家族などを尊敬していう語。「令息」(広辞苑第五版)

実は新元号が発表になった日、多くの方が「令」の字形について説明していた、アルクの以下のサイトを訪問してくださいました。

https://www.alc.co.jp/jpn/article/faq/01/249.html

「令」には、いくつかの字形があります。特に悩ましいのは、3画目を点のように書くのか(手書き)横棒のように書くのか(印刷物)、5画目を短く止めるのか(手書き)下に長く伸ばすのか(印刷物)です。結論から言えば、文化庁の指針では「手書き文字と印刷文字の表し方には、習慣の違いがあり、一方だけが正しいのではない」「字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば誤っているとはみなされない」としていますので、どの字体でも構いません。ちょうど、これから年賀状を書かれる方も多いと思いますので、ご参考にしてください。

文化庁の「常用漢字表の字体・字形に関する指針」の代表音訓索引

http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/joyokanjihyo_sakuin/

日本語教育的には「共」

日本語教育に関連した2019年の大きな出来事としては、4月に特定技能という在留資格が新設されました。人材不足が深刻な14業種を対象に今後5年間で34.5万人の新たな外国人の受け入れを見込んでいます。その後、資格試験の整備の遅れなどから、特定技能の在留資格を持つ外国人は予定通りには増えていませんが、2019年は日本が外国人労働者の受け入れに大きく舵を切った年であることは間違いありません。

また、6月に日本語教育推進法が成立・施行されました。この法律により、日本語教育を推進することについて、国、地方公共団体、事業主の責務が法律に明記されました。この法律の目的は、多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現、諸外国との交流並びに友好関係の維持発展に寄与することにあります。日本語教育に関する法的根拠整備されたという意味で、2019年は日本語教育界にとって画期的な年でした。

2019年6月末の在留外国人数は282万9416人と過去最高を記録しました。「共に生きる」「共生社会」などでよく使われる、「共」という漢字を今年の漢字の候補として挙げたいと思います。

昨年に引き続き「災」の可能性

1年前の2018年の今年の漢字は「災」でしたが、2019年も多くの災害がありました。もしかすると2年連続で「災」が選ばれる可能性もあります。

2018年の災害・異常気象

福井・石川の記録的豪雪(2月)、大阪北部地震(6月)、西日本豪雨(7月)、記録的猛暑で埼玉県・熊谷が最高気温更新(8月)、台風21号・29号による関空滑走路水没・停電・塩害(9月)、北海道胆振東部地震(9月)

2019年の災害・異常気象

年の前半に地震がたくさんありました(1月熊本、2月北海道胆振、5月宮崎県日向灘・千葉、6月山形県沖、8月福島県沖)、九州北部豪雨(8月)、台風15号(9月)、台風19号(10月)

こうして見ると、日本は毎年、大きな地震、豪雨、猛暑、台風などに見舞われています。災害は避けられないところもありますが、そのために日頃の備えを怠りなくしておくという意味でも「災」が選ばれる可能性があります。

過去の「今年の漢字」一覧

過去の「今年の漢字」は以下の通りです。25年間、本当にいろいろなことがありました。

震(1995・阪神淡路大震災)

食(1996・O-157)

倒(1997・山一證券倒産)

毒(1998・カレー毒物混入事件)

末(1999・世紀末)

金(2000・シドニーオリンピック)

戦(2001・米国同時多発テロ)

帰(2002・拉致被害者帰国)

虎(2003・阪神タイガースリーグ優勝)

災(2004・災害)

愛(2005・紀宮様ご成婚)

命(2006・悠仁様ご誕生)

偽(2007・年金記録問題)

変(2008・オバマ大統領)

新(2009・政権交代)

暑(2010・猛暑)

絆(2011・東日本大震災)

金(2012・ロンドンオリンピック)

輪(2013・東京オリンピック・パラリンピック決定

税(2014・消費税率引き上げ)

安(2015・安保法案)

金(2016・リオオリンピック)

北(2017・北朝鮮の弾道ミサイル)

災(2018・災害)

こうして見ると、オリンピックのあった年は「金」が選ばれるようです。そうすると(かなり気が早いですが)2020年の今年の漢字は「金」でしょうか。くれぐれも「暑」や「災」にはならないように、お願いしたいものです。

皆さんの選んだ漢字を教えてください。

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