令和2年度日本語教育能力検定試験の合格発表がありました。受験された方の結果はいかがでしたでしょうか。受験者数や合格者数、受験者のバックグラウンド、試験結果などについて速報します。特に次回受験予定の方は、よくご確認いただき、試験準備に役立ててください。(編集部)
令和2年度日本語教育能力検定試験は2020年10月25日(日)に行われました。新型コロナウイルス感染症により試験実施が危ぶまれた時期もありましたが、関係者の尽力で何とか開催することができました。ただ、その影響は出願期間の大幅短縮や試験会場の変更、試験日当日の会場運営などに現れました。
応募者数・受験者数は微減
令和2年度日本語教育能力検定試験の応募者数は11,316人、受験者数は9,084人となりました。これは前回に次いで、史上2番目に多い応募者数・受験者数になります。応募者数は前回より383人減り、受験者数は342人減りました。これは出願期間の短縮も大きく影響したと思われます。実施地区別では、以下のようになりました。応募者(昨年比)/受験者(昨年比)です。
北海道:313人(+24人)/246人(+18人)
東北:413人(+134人)/329人(+106人)
関東:5,462人(-676人)/4,330人(-532人)
中部:1,249人(+142人)/1,017人(+82人)
近畿:2,513人(+27人)/2,084人(+62人)
中国:486人(+32人)/376人(+2人)
九州:880人(-66人)/702人(-80人)
合計:11,316人(-383人)/9,084人(-342人)
北海道、東北、中部、近畿、中国地区では昨年を上回る応募がありましたが、関東、九州地区では減少し、特に関東地区は1割以上応募者が減少しました。
合格率は28.76%
合格者数は2,613人となりました。受験者は9,084人でしたので、合格率は28.76%となりました。ちなみにここ5年の合格率の推移は以下の通りです。
平成28年度(2016年):24.9%
平成29年度(2017年):25.4%
平成30年度(2018年):28.3%
令和元年度(2019年):28.2%
令和2年度(2020年):28.8%
合格率は昨年を若干上回りました。ここ5年で見ると合格率は4ポイント近く増加しています。
男女比・年代別比・受験回数比・職業別比は大きく変わらず
男女比では女性が72%、男性が28%となりました。また、年代別比では60才以上が18%、50~59才が24%、40~49才が19%、30~39才が15%、20~29才が23%、20才未満が1%となりました。受験回数比では、初回が70%、2回目が19%、3回目が6%、4回目以上が4%となりました(無記入が1%)。職業別比では、会社員等が38%、主婦/主夫が14%、日本語教員(非常勤・個人教授)が9%となりました。これらの比率は前回から大きな変動はありませんでした。
試験Ⅰが難化
試験ごとの平均点、標準偏差を見てみましょう。試験によって満点が異なりますので、配点に対する百分率で比較します。その結果は以下の通りでした。
平均点:試験Ⅰ(56.3%)<試験Ⅲ記述式(57.4%)<試験Ⅱ(62.2%)<試験Ⅲマーク式(65.2%)
標準偏差:試験Ⅲ記述式(16.6%)>試験Ⅱ(14.6%)>試験Ⅰ(11.6%)>試験Ⅲマーク式(10.9%)
ちなみに前回の令和元年度の試験は以下の通りでした。
平均点:試験Ⅲ記述式(51.6%)<試験Ⅱ(59.2%)<試験Ⅰ(62.4%)<試験Ⅲマーク式(63.6%)
標準偏差:試験Ⅲ記述式(17.7%)>試験Ⅱ(13.8%)>試験Ⅰ(12.2%)>試験Ⅲマーク式(10.8%)
比較してみると、前年に比べ試験Ⅰが大きく難化したようです。平均点が大きく下がっていますが、標準偏差はあまり変わっていません。多くの受験者が試験Ⅰに苦戦したものと思われます。ちなみに最高点は、試験Ⅰ、試験Ⅲにおいては満点ではありませんでした。
なお、令和3年度の日本語教育能力検定試験の実施要項は令和3年1月に公表予定です。
令和3年度受験予定の方は早めの準備を
これから年末・年始を迎え、また新型コロナウイルス感染症の影響により在宅で過ごされる機会も増えていると思います。受験予定者の方は、今のうちからコツコツと早めの準備を始めましょう。アルクでは合格を目指す方のために「日本語教育能力検定試験 合格パック2021」をお勧めしています。2021年1月28日(木)9:59まで10%OFFでご購入いただけます。