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日本語ジャーナル:日本語を「知る」「教える」

2020年11月8日(日)はオンライン「やさいち」に参加して「やさしい日本語」を使ってみよう!

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「やさいち」=「やさしい日本語」×「いちば(市場)」。外国の市場のように普段着でみんなが集まって、ガヤガヤと交流するボーダーレスな場をオンライン上に設けます。そこでの共通言語は「やさしい日本語」。頭では分かっていても「やさしい日本語」をなかなか使う機会がないという方は、ぜひ参加して多文化交流を楽しんでみてはいかがでしょうか。主催しているのは明治大学の中野キャンパスを拠点にしている国際日本学部の山脇啓造さんのゼミナールです。4年生の五十嵐あきさんと勝部未紗子さんに「やさいち」の見所を紹介してもらいました。

「やさいち」の楽しみ方

https://www.isc.meiji.ac.jp/~nakanoborderless/yasaichi/

まずは、既にオープンしている「やさいち」のホームページに行ってみましょう。キャラクターの「やさゾウ」が案内してくれます。豊富なイラストと、平仮名や振り仮名の付いた漢字表記で示されており、「やさしい」見た目になっています。

「『やさいち』ってなに?」「『やさしい日本語』ってなに?」の2本の短い動画を見て、「やさしい日本語」について基礎知識を確認しましょう。その後は、リアルな市場のようなイラストから、以下のような各プログラムに参加できるようになっています。

 

①かいもの通り
中野区にあるパン屋やトルコ料理屋など、8店舗で事前に収録したインタビュー動画を見ることができる場です。また、イベント当日はお店からライブ中継をして、みんなで「やさしい日本語」に関するクイズを解いたり、当日のお店の様子を伝えたりして楽しみます。

 

②じまん広場
エスニック料理の作り方や空手の試し割など、「ありのままの自分」を通して自国の文化や自分の特技などをお披露目する場です。イベント当日はzoomを通じて、中国語講座やキーボードの演奏会などに参加することができます(要事前予約)。

 

③おしゃべり喫茶
ゲストを交えて「やさしい日本語」を使って、いろいろな人とzoomでおしゃべりできる場です。ゲストはシリア難民の方や中野区のプロレスラー、何と中野区長の酒井直人さんも参加されます(要事前予約)。

 

「やさいち」に参加してみたいと思った人は、まず「じまん広場」「おしゃべり喫茶」の事前予約をしておきましょう。その上で、空いている時間は「かいもの通り」などに参加すれば、「やさしい日本語」を使って1日中楽しめます。

山脇ゼミの多文化共生まちづくりの取り組み

山脇ゼミの「やさしい日本語」に関する取り組みは今年で3年目になります。中野区の行政や商店街を巻き込みながら、大学生らしいユニークで活発な活動を展開してきました。

【中野区と連携した活動】

①中野区長と留学生の懇談会

中野区と共同で、酒井区長・留学生・日本人学生同士が日本での生活における課題について話し合う懇談会を開催しました(2020年度で7回目)。

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2020/6t5h7p000034ghqw.html

 

②国民健康保険の加入手続きを説明する動画作成プロジェクト

保険医療課の方と連携し、外国人住民の方が難しさを感じている「国民健康保険の加入手続き」について、やさしい日本語で動画を作成し、発信しました。

https://www.meiji.ac.jp/koho/press/6t5h7p000034aa87.html

 

【Nakano Borderless】

2019年3月にNakano Borderless実行委員会を設立し、イベント開催に向けた活動を始めました。Nakano Borderlessには国籍、年齢、性別など関係なく互いに共生できる=Borderlessな社会の実現という願いが込められています。2019年11月には第1回企画として国際交流運動会を開催しましたが、これは中野区報の一面に掲載されました。今回の「やさいち」は第2回企画になります。また、国際交流運動会は中野区の「東京オリンピック・パラリンピック気運醸成事業」に指定されましたが、「やさいち」も中野区の「区民公益活動助成事業」に指定されています。

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2019/6t5h7p0000206dt6.html

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2019/6t5h7p000032ng8d.html

 

【やさしい日本語の普及活動イベント】

①2019年10月にやさしい日本語勉強会を、鷺宮(さぎのみや)商店街の方に向けて開催。

 

②2019年11月丸井グループ主催のインクルージョンフェスにて、やさしい日本語ワークショップを開催。(丸井は中野に本社があります)

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2019/6t5h7p0000237iha.html

 

③2020年1月に鷺宮商店街の方々から支援を頂き、留学生との交流イベント「やさしい日本語はしご酒」を開催。

 

【2018年度の活動】

① 動画制作 ゼミ生作成のマスコット「やさぞう」がナビゲータとなって登場し、「やさしい日本語」の使い方を簡単に解説しました。動画制作後に「やさぞう」はプロジェクトを広めるためのシンボルとして、ステッカーや缶バッジを制作し、地域の方や留学生等、多くの人々に配布しました。

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2018/6t5h7p00000s63xx.html

 

② 「やさしい日本語ワークショップ」 中野の地域の方や明治大学の学生と卒業生を対象に、「やさしい日本語」を紹介する30分間のプログラムで、国際日本学部設立10周年記念イベントのひとつとして開催しました。

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2018/6t5h7p00000tjqk9.html

 

③「やさしい日本語ツアーin中野」 ゼミ生と留学生で班を編成し、中野区鷺宮および野方の商店街を巡り、やさしい日本語を使って、交流しました。

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2018/6t5h7p00000tu7ww.html

 

それでは、最後に五十嵐あきさんと勝部未紗子さんから一言お願いします。

「『やさしい日本語』にはいろいろな側面がありますが、今回は市場という日常生活でも使ってみようというコンセプトです。日曜日に近所の市場にふらっと出掛けてみるような気分で気軽にいらしてください。ゼミ生一同、皆さんのお越しをお待ちしています!」