開校から1年あまりが経過したヤンゴンの語学学校、アミクスグローバルミャンマー・ランゲージセンター。今年2月から「ミャンマーの日本語教室から」という副題で、現地の様子をお伝えしています。新型コロナウイルスの感染拡大はなかなかいい方向に向かいませんが、学生は日本で働くことを目ざして前向きに学習に取り組んでいます。今回は9、10月2カ月間の様子を同校日本語主任の渡辺幸子先生に日記風に伝えてもらいました。(NJ編集部)
2020年9・10月のミャンマー便り
9月7日(月)
会話コース、続行決定! 参加希望の学生がどれくらいいるのか確かめつつ、コース内容を検討中です。ためになる授業、楽しい授業になるようにしっかり内容を練りたいと思います! もちろん、既存コースの学生は『できる日本語』を勉強中です。こちらもしっかり身につくように、ミャンマー人の先生とも協力して進めてまいりたいと思います。
9月10日(木)
落ち着きを見せていたミャンマー国内のコロナ感染の状況。しかし、ここ最近はヤンゴン市内で感染者が急激に増加しており、自宅待機措置命令のエリアが発表されるようになりました。今日大使館から届いたメールでは、自宅待機措置になるエリアが大幅に拡大されました。早く落ち着きを取り戻せますように。
9月14日(月)
会話コース再開! 今回もグループレッスンと個人レッスンの2本立てで進めてまいります。今日授業をしていて、ふと、1年前に「あいうえお」から学習をスタートした学生たちが、今は日本語で私の話を理解し、コミュニケーションができていることに感慨深いものを感じました。アミクスミャンマー・ランゲージセンターが開校したのは2019年9月。ちょうど1年経ちました。コロナにも負けず、日本で働くことを夢見て頑張っている学生たち。さらに、さらに成長した姿で日本へ行ってもらいたいです。そのために私も頑張ります。
9月21日(月)
大使館から連日のようにメールが送られてきます。今日来たメールで、ついに自宅待機措置命令はヤンゴン市内全域になり、また一部の職種を除いて在宅勤務命令(通勤停止命令)が出されました。それを受けて、ミャンマー人の先生2人が学校に布団を持ち込んで寝泊まりすることになりました。2人は学校で生活しながらオンライン授業を継続します。
9月25日(金)
国際旅客便の着陸禁止措置が10月31日まで延長となりました。
10月16日(金)
10月も順調にオンライン授業を続けています。今日、ある学生に「授業のあと、今日は何をしますか」と聞いたら、何か言いたそうに考え込んで「私は予定がありますが、日本語で何と言うのかわからないので、あとで写真を送ります」とのこと。しばらくして、アウンサン・スー・チーさんの絵と、赤いTシャツを着てバイクにまたがる人たちの写真が送られてきました。赤は、アウンサン・スー・チーさんが所属する政党、NLDのカラーです。「選挙活動ですね。頑張ってください!」と返事をしました。そういえば11月に選挙があることを思い出しました。コロナ禍での活動。どうか万全な対策をして最後まで体調を崩さず、元気にやり切ってもらいたいと思います。
10月20日(火)
今日は会話コースの学生から、彼女の町の選挙活動の様子を撮った動画が送られてきました。今度はバイクではなくて大きなトラックの荷台に赤いTシャツの人がたくさん乗っています。拡声器で大きな音も出していて、とてもにぎやかです。ほとんどの人がマスクをしていますが全員ではないし、荷台はとても密の状態です。最近日本ではめっきり見なくなった状態だけにある意味新鮮でしたが、「そこでクラスター起きてませんか?」と心配になってしまいました。
10月22日(木)
会話コースを受講中のある学生から、うれしい知らせが届きました! 彼は日本への就職が決きまった当校初の学生(2020年4月9日更新の本コラム参照)の1人。3月の就職先決定後、ビザ申請のために必要な書類をそろえて手続きを進め、コロナの影響でかなり時間がかかりましたが、やっと「在留資格認定証明書」が発行されました。あとは日本行きの国際線が飛ぶようになれば、日本での就職となります。1日でも早く日本で働ける日が来ますように。
10月27日(火)
10月になってから、ほぼ毎日1000人ペースで新規感染者が確認される事態が続きます。そして今日、10月31日までとされてきた国際旅客便の着陸禁止措置が、11月30日まで再延長されました。
日本語の授業は、おそらくこのまま年内はオンラインでの授業が続くでしょう。1人1人としっかり向き合い、より良い授業とより良い成果を目指して、引き続きオンライン授業を頑張ります。