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スピーキングテストを知ろう! アルクの日本語会話力測定テスト「JSST」

日本語能力試験(JLPT)、日本留学試験(EJU)、BJTビジネス日本語能力テストなど、日本語能力を測るテストは数多くあります。しかし、日本語のスピーキング能力を測るテストはまだ少なく、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は日本語スピーキングテストの中から「アルクの電話による日本語会話テスト JSST」をご紹介していきます。

JSSTとは?

JSST(Japanese Standard Speaking Test)は、電話で受験できる日本語会話力測定テストです。「いつでも、どこでも、気軽に、かつ正確に日本語の会話力を測りたい」という企業の要望に応える形で、2008年に開発されました。

テストの所要時間は約15分で、問題はあらかじめ録音された音声データの中から10問出題されます。受験者は各問題45秒または60秒以内に、自由発話の形式で回答します。

回答音声は以下の5つの基準から総合的に評価され、最終的にはレベル1から10までの10段階で、日本語会話力が判定されます。

JSSTの主な特長をまとめると、このようになります。

1)実践的な日本語会話能力が測定できる

・ランダム出題で事前に回答を準備することができないため、「その時」「その場」で瞬時に考えて話す能力を測ることができます。

・1名の受験者に対し、トレーニングを受けた専門の評価官3名が評価を行うことで、客観性や信頼性を担保しています。

2)いつでも、どこからでも手軽に受験できる

・24時間、国内外を問わず電話で受験できます(所要時間約15分)。

・試験会場に行く、専用アプリをインストールするなどの事前準備がいりません。

3)スコアレポート(成績表)が今後の学習に役立つ

評価項目別に今できることと今後の課題がわかり、学習アドバイスもあります。

・日本語の他にも、英語、中国語、韓国語、ベトナム語の翻訳があります。

JSSTのレベル概要

JSSTのレベルは初級から上級までの10段階で、それぞれの「レベルイメージ」や「ビジネス現場で日本語を使ってできること」は、このようになっています。

全体を簡単に説明すると、「初級」は最低限の挨拶、自己紹介、聞き取りのみができるレベルです。このレベルの人が日本語を使って仕事をするのは難しいと言えるでしょう。

「中級前半」は、日常会話はある程度できますが、場面や相手に応じた会話は難しいレベルです。実際のコミュニケーションの際には、聞き手側である日本人の手助けが必要となることも少なくありません。

「中級後半」は、多少の間違いはあっても敬語が使えたり、個人的な意見や理由を述べたりすることができるレベルです。ビジネスにおいても、日常的な業務であれば日本語で行うことができます。

「上級」は、ビジネスの広い場面で日本語が使えるレベルです。日常的な業務だけでなく、慣れない業務においても日本語で対応することができます。

企業や大学がJSSTを利用する背景、目的

先ほど触れたように、JSSTは「いつでも、どこでも、気軽に、かつ正確に日本語の会話力を測りたい」という企業の要望に応える形で開発されました。

企業のこういった要望の背景には、グローバル化や人手不足による外国人材の需要の高まりなどの社会変化もありますが、採用活動を重ねていく中で、ある問題が浮かび上がってきたことも大きいと考えられます。それは、日本語の知識を測るテストの結果や採用面接の印象で、実際のビジネス現場で必要となる日本語スピーキング能力を有しているかどうかを見極めるのは非常に難しいということです。こういった企業の悩みは、今後、外国人労働者が増えていくにつれて、より深刻になっていくかもしれません。

JSSTでは日常的な場面だけでなく、ビジネス場面を想定した問題も出題されます。そのため、企業や大学を通じて、日本語を母語としないビジネスパーソンや日本企業への就職を目指す留学生が多く受験しています。企業や大学がJSSTを利用するタイミングと目的をまとめると、このようになります。

タイミング

目的

外国人材の採用

JSSTのレベルと採用面接時の受け答えなどを参考に、日本語スピーキング能力を多面的に把握する

人事考課や人員配置

JSSTのレベルを日本語スピーキング能力の社内評価指標としたり、対外的な証明に利用したりする

日本語研修や日本語コースの受講前後

JSSTのレベルで受講者の日本語スピーキング能力の変化を見える化する

留学生の就職対策

就職面接の予行演習としてJSSTを受験させ、瞬時に考えて話す力、論理的に話す力などを養う

スピーキングテストを活用しよう

多くの企業や日本語教育機関において、外部の日本語テストを利用することは今や一般的となっていますが、スピーキング能力の測定のために外部テストを利用するケースはあまり多くないでしょう。日本語教育機関では、在籍する日本語教師がスピーキングテストを行うことが多いですし、企業においても、日本語スピーキング能力は日頃のやりとりや定期的な面談を通じて、ある程度把握することができるからです。

しかし、実際のところ、スピーキングテストは評価基準を作るのが難しく、実施においても時間や手間がかかるため、テストをする側は負担が大きいと感じることもあると思います。また、見知った人との会話のやりとりでは「慣れ」や「共通認識」が邪魔をして、本当のスピーキング能力を見極めるのが難しくなることもあります。

JSSTのような外部テストを利用すれば、より手軽かつ客観的に日本語のスピーキング能力を測ることができますし、いつもとは違う環境や条件での受験は、受験者にとっても新鮮で貴重な体験になることでしょう。

現在、日本語のスピーキングテストにおいては、人による測定が主流となっていますが、今後は技術が発展し、AIによる測定も一般的になっていくかもしれません。内部と外部、人の力と技術の力などをうまく組み合わせて、より手軽で正確にスピーキング能力が測定できるようになれば、受験者のスピーキング能力や学習モチベーションによい影響を与えることができるでしょう。

ぜひ、それぞれの場での日本語スピーキングテストの活用法を考えてみてください。

JSSTウェブサイト:https://www.alc-education.co.jp/business/jsst/

現在JSSTは個人受験の受付を停止しています。受験を希望する場合は、法人受験として企業や日本語教育機関からお申込みください(受験人数は1名から可)。