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日本語教育能力検定試験の“新”出題範囲対策4~言語と教育

令和4年度日本語教育能力検定試験は2022年10月23日(日)に行われます。試験本番まで残すところ1カ月程度となりました。受験される皆さんは、準備は順調に進んでいますか? ここでは令和4年度の日本語教育能力検定試験の出題範囲に新しく追加された項目を中心に解説していきます。

令和4年度の試験から何がどう変わるのか

令和4年度日本語教育能力検定試験から、「必須の教育内容」(文化庁)に基づいて出題されるようになります。

令和4年度日本語教育能力検定試験 出題範囲

http://www.jees.or.jp/jltct/range.htm

令和4年度の出題範囲にあるもので、令和3年度までの出題範囲の「主要項目」にはなかったものがいくつかあります。その中で、出題範囲の5区分の「言語と教育」には、以下の項目が新しく立てられています。

日本語教師の資質・能力

日本語教育プログラムの理解と実践

教室・言語環境の設定

授業計画

異文化コミュニケーション

著作権

今回はこの中から、「日本語教師の資質・能力」「日本語教育プログラムの理解と実践」について考えてみましょう。

日本語教育人材の養成・研修の在り方について

日本語教師に求められる資質・能力にはどのようなものがあるでしょうか。これを考えるときに注目しておきたい報告書に「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」があります。

https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1401908.html

この報告書の内容については令和3年度の日本語教育能力検定試験でも出題されており、令和4年度の試験でも続けて出題される可能性があります。

日本語教師は養成段階で教師にとって必要な資質・能力を身に付ける必要があります。また、日本語教師になってからも、絶えずその資質・能力を磨いていく必要があります。2018年に文化庁がとりまとめたこの報告書(2019年改定)では、日本語教育人材を分類して、その分類と段階・活動分野ごとに、求められる資質・能力、養成・研修の在り方、教育内容を示しています。

まず、日本語教育人材を役割によって以下のように整理しています。

(1) 日本語教師:日本語学習者に直接日本語を指導する者

(2)日本語教育コーディネーター日本語教育プログラムの策定、教室運営・改善、日本語教師等に対する助言・指導を行うほか、多様な機関との連携協力を担う者

(3)日本語学習支援者:日本語教師や日本語教育コーディネーターと共に日本語学習者の日本語学習を支援し、促進する者

次に、日本語教師を段階によって以下のように整理しています。

(1)養成:日本語教師を目指す者

(2)初任:日本語教師の養成段階を修了した者で、それぞれの活動分野に新たに携わる者

(3)中堅:日本語教師として初級から上級までの技能別指導を含む十分な経験を有する者

また、日本語教育コーディネーターを上記の中堅を経た者とし、特に次の2者について検討しました。

(1)地域日本語教育コーディネーター:「生活者としての外国人」に対する教育プログラムの編成・実施に携わる者

(2)主任教員:在留資格「留学」が取得できる法務省告示校で教育課程の編成や他の教員の指導を担う者

日本語教育人材に求められる資質・能力

報告書では、日本語教育人材に求められる資質・能力は以下のようにまとめられています。

1.日本語教育人材に共通して求められる基本的な資質・能力

(1)日本語を正確に理解し的確に運用できる能力を持っていること。

(2)多様な言語・文化・社会的背景を持つ学習者と接する上で,文化的多様性を理解し尊重する態度を持っていること。

(3)コミュニケーションを通じてコミュニケーションを学ぶという日本語教育の特性を理解していること。

2.専門家としての日本語教師に求められる資質・能力

(1)言語教育者として必要とされる学習者に対する実践的なコミュニケーション能力を有していること。

(2)日本語だけでなく多様な言語や文化に対して、深い関心と鋭い感覚を有していること。

(3)国際的な活動を行う教育者として,グローバルな視野を持ち,豊かな教養と人間性を備えていること。

(4)日本語教育に関する専門性とその社会的意義についての自覚と情熱を有し,常に学び続ける態度を有していること。

(5)日本語教育を通した人間の成長と発達に対する深い理解と関心を有していること。

日本語教師に求められるものは非常に幅広いのですが、特に、多文化への理解、グローバルな視野、コミュニケーション、そして教師としての態度や心構えといったものが重視されています。日本語教師になって初任、中堅を経て日本語教育コーディネーターになった人は、日本語教育プログラムの策定や教室運営、さらには日本語教師に対する指導や外部との連携などを担います。日本語教育コーディネーターには、日本語教師に求められるものに加えて、より専門的かつ社会的な役割が期待されることになります。

令和4年度受験予定の方は計画的な準備を

令和4年度の日本語教育能力検定試験を受験される予定の方は、定期的に実施団体である日本国際教育協会(JEES)のウェブサイトをチェックしましょう。特に試験日が近づいてくると、さまざまな情報がアップデートされることがあります。皆さんのご健闘をお祈りします。

日本国際教育協会(JEES)日本語教育能力検定試験

http://www.jees.or.jp/jltct/index.htm

執筆:新城宏治

株式会社エンガワ代表取締役。日本語教育に関する情報発信、日本語教材やコンテンツの開発・編集制作などを通して、日本語を含めた日本の良さを世界に伝えたいと思っている。

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