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日本語教師の求人への応募から採用まで

日本語学校は春・秋の年2学期制または年4学期制を取っているところが多いため、10月から新学期が始まります。しかし、今年は新型コロナの影響でカリキュラムが変則的・流動的になっている学校もあります。日本語教育能力検定試験が終わったら日本語を教え始めてみたいと思っている方もいらっしゃると思います。ここでは日本語教師の求人情報の見つけ方から採用までの道のりを解説します。(編集部)

代表的な日本語教師の求人サイト

日本語教師の求人情報の見つけ方は、以下の2つが主流です。

・日本語教師の求人サイトで探す

・口コミや紹介

まずは、日本語教師の求人情報が掲載されている代表的なサイトをいくつかご紹介します。

それぞれのサイトには特色があり、掲載されている情報もサイトによって異なりますので、自分で決めた複数のサイトをチェックするのがいいでしょう。また、求人サイトは日々更新されますので、定期的に(最低限1日1回は)チェックすることをお勧めします。それぞれのサイトは、各自のルールを設けて求人情報を掲載していますが、基本的には教育機関から寄せられた求人情報をそのまま掲載していますので、実際の応募は内容を確認した上で、個々の責任において行ってください。

また、このようなサイト上で一般募集される前に(あるいは一般募集と並行して)、教育機関は各々のネットワークで日本語教師を探すことがよくあります。いわゆる紹介や口コミです。教育機関側からすれば、実際に自校で教えている教師や知人からの紹介であれば安心感があるでしょう。そのような機会をつかまえるには、日頃から日本語教育関連の研究会やセミナーなどに積極的に参加して顔を売っておき、自分が今教えたいと思っているということを周りに伝えておくことが必要です。

求人情報においてチェックすべきポイント

前述した日本語教師の求人サイトを見てみましょう。求人情報には、おおよそ以下のような情報が掲載されています。

・勤務地

・職種(専任/非常勤)

・応募資格・採用条件

・待遇・勤務条件

・応募方法・応募締切日

・選考方法

連絡

勤務地までの通勤距離、応募資格や条件、待遇や勤務条件などを確認しましょう。それらが自分の希望する条件と合致していた場合、まずは、その学校のことをよく調べることが大切です。その上で、その教育機関と自分の相性を確認しましょう。それには学校のホームページを見てみるのがいいでしょう。ホームページには学校の理念、教育目標、設置されているコース、学校の歴史や沿革、その他学校に関するさまざまな情報が掲載されています。学校が運営しているSNSなどがあればそれらも一通りチェックしましょう。そうするうちに、その学校が自分に合った学校なのかどうかが自然と見えてきます。「この学校はちょっと違うな」という場合もあれば、「ぜひこの学校で教えてみたい」という場合もあるでしょう。後者であれば、迷わず応募してみましょう。

学校の所在地がそれほど遠くないのであれば、実際に学校まで行ってみるのも一つの方法です。最寄り駅から学校までの様子、校舎や校舎の周りの環境、授業が終わって出てくる学生の様子などから、その学校の雰囲気が見えてきます。

履歴書、職務経歴書、面接・模擬授業

実際にその学校に応募することになったら、スピーディーに行動に移しましょう。求人情報内に応募締切日が書かれている場合が多いのですが、特に非常勤の募集の場合は、学校側は「いい人」がいれば早く採用してしまいたいので、応募締切日前に決定してしまうことも少なくなりません。そのため、「これは」と思った求人には、すぐに応募するのがポイントです。

応募方法は、履歴書と職務経歴書をメールで送るという場合が多いと思います。履歴書には単に必要最小限の情報を入れるだけではなく、自分の人となりが読み手に見える情報を盛り込みましょう。自分が得意とすることや大事にしていること、教育や異文化理解に対する想い、応募する学校の理念に対する共感などが盛り込めるといいと思います。パソコンスキルや語学力など、仕事に直結する具体的スキルなども忘れずに書きましょう。

また、履歴書以上に大切なのが職務経歴書です。自分がこれまで、どんな教科書を使ってどんな学習者に日本語を教えてきたのかを具体的に書きましょう。まだ教えた経験がない人であれば、そのことを率直に書いた上で、例えば教育実習で使用した教科書や、教材分析として使用した教科書などを挙げておくのがいいでしょう。それが、その学校で使用している教科書であれば、なおいいと思います。

メールを送る際には誤字脱字のない丁寧な文面で送りましょう。無事、書類審査を通過したら、その後面接の日時を設定されます。学校は非常に忙しく、授業の合間を縫って面接の時間を設定していますので、日時は極力、学校側の都合を最優先しましょう。また、忙しい中で面接の時間を取ってくれることに対して謝意を示しましょう。

面接においては、事前に学校のことをよく調べて臨みましょう。前述したようにホームページを見れば最低限のことは分かりますので、事前にきちんとチェックしておきましょう。その上で面接では、なぜ日本語教師になりたいのか、なぜこの学校で教えたいのか、どんな日本語教師になりたいのか、自分はその学校の教育に対してどのような貢献ができるのかを、熱意を持って面接官(校長先生や教務主任など)に伝えましょう。

新型コロナの影響で授業のオンライン化が進みました。授業を対面形式に戻している学校もありますが、オンライン型を併用している学校もあります。また、状況によって今後オンライン形式にならないとも限りません。そのような中で、zoomなどのオンライン会議やgoogleなどの基本機能が使えるということは、面接において大きなアピールポイントになると思います。

面接や模擬授業も無事終了して内定をもらったら、具体的な給与、手当て、教える曜日や時間などをきちんと確認した上で、正式に承諾書を出しましょう。これまで教えた経験がない人は、最初は週に数コマを担当する非常勤講師から始めることが多いと思います。実際に教えるとなった時は、授業の準備にかなりの時間がかかります。初めはあまり欲張らずコマ数は少なめにして、徐々に増やしていくのがいいでしょう。

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