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ただいま成長中の日本語教師に聞く!―営業職から日本語教師に(友ランゲージアカデミー)

日本語教師として国内の日本語学校で働きたいと思っている人が、実際の授業や勤務時間の様子を見る機会は多くはありません。日本語ジャーナルでは、日本語学校で働き始めて数年の、試行錯誤しながら成長を続ける先生にスポットを当て、「日本語学校で働く日本語教師のリアル」をお届けする予定です。今回はコリアタウンで有名な新大久保にある友ランゲージアカデミーの専任講師、布川なつみ先生にお話を伺いました。

8時から5時、定時で退勤

-布川先生は、友ランゲージアカデミーで専任講師として教え始めて1年半ということですね。現在は週にどのぐらい授業を担当されていますか。

毎日8時から5時の勤務で、授業は4時間担当の日が週に3日あります。私は毎朝7時半ぐらいに出勤しています。午後の授業担当なので、午前中にメール対応、授業の準備をして、午後1時から4時20分まで授業、その後小テストや宿題のチェック、担任の先生への報告などを済ませて5時には学校を出ます。

-朝は早いですね。お昼ご飯はどうしていますか。

早起きは得意なんです。お昼はだいたいお弁当を持って来ます。この辺りは韓国料理のお店もたくさんあるので、時間があるときには食べに行ったりしています。

-授業の準備に時間がかかるというイメージがありますが、残業をすることはないんですか。

ほとんどないです。学校に授業のときに使うセットが揃っていて、それをアレンジして使うので準備に長い時間がかかるということはないです。他の先生方もだいたい5時で帰宅していますね。

-そうなんですね。うらやましいです。

系列会社から異動して日本語教師へ

-今の学校が日本語教師として働く最初の学校ということですが、どのようにして友ランゲージアカデミーで教えることになったのでしょうか。

大学のときに「日本語教師になりたい」と思ったのですが、すでに就職活動が終盤に差し掛かっていた時期だったので、一度一般の会社に就職しました。それが友ランゲージアカデミーの親会社であるライセンス・アカデミーです。高校生が進路を選ぶお手伝いをする仕事に魅力を感じました。また、就職活動をする中で、ライセンス・アカデミーの系列に日本語学校があるということも知りました。それで、会社で働きながらも日本語教師になりたいという気持ちは持ち続けていたので、週末に日本語教師養成講座を受講し始めました。

-働きながら土日も養成講座というと、休みがなくて大変そうですね。

そうですね。でも、養成講座で学ぶことが毎回本当に面白くて、あまり大変だとは感じていませんでした。毎日当たり前のように使っている日本語なのに、自分の知らないことがたくさんあるんです。「ああ、そういう仕組みになっているのか!」といつも新しい発見がありました。それで、1年半ぐらいで養成講座が終わって、上司に「日本語教師になりたいので退職したい」と話しました。

-元々会社には日本語教師になりたいという希望があることを伝えていたのですか。

いいえ、話していませんでした。系列に日本語学校があることは知っていたのですが、当時大阪で働いていて、東京にある日本語学校に異動できるとは思っていなかったので。それが、上司が「日本語教師になりたいのだったら」ということで、上に話をしてくれて友ランゲージアカデミーで教えられることになりました。

-理解のある上司の方だったということですね。しかも、友ランゲージアカデミーでは最初から専任講師だったということで、教え始めたころのお気持ちはいかがでしたか。

感謝と、まだ何もわからない状態で専任教員になったので「どうしよう」という気持ちでいっぱいでした。でも最初に、いろいろなレベルの授業を見学させていただいて、見学した後でその授業の目的やポイントについて説明していただきました。授業前には教案をチェックしていただき、アドバイスもいただきますが、そのアドバイス通りに授業をしなければならないということではなく、私自身の自主性に任せていただいて授業をしています。

それに、困ったことがあればすぐに先輩の先生方に相談できます。また、コロナの影響で留学生が入って来られなくなって学生数が少なくなっていたので、いきなり担当授業でびっしりということはなく、少しずつゆっくり経験を積むことができました。

-コロナ禍にもひとつ利点があったということですね。

日本語教師のイメージと実際

-もともと日本語教師になりたいと思ったのはどうしてですか。大学のときになりたいと思ったとのことでしたが。

はい、大学在学中にインターンシップでベトナムに行ったことがありまして。ジャパンフェスティバルというイベントの運営に参加しました。そのときに日本語を勉強したいというベトナム人の女の子といろいろ話して、とても楽しくて。それがきっかけですね。それで帰国して就職活動をする中で日本語教師という職業があることを知ったんです。

-それで、いつか日本語教師になりたいと思いながらまずは就職されたわけですが、日本語教師以外の仕事の経験も役に立っていますか。

ライセンス・アカデミーでは高校生の進路指導に関わる営業職でセミナーなども多かったので、人前で話すことに抵抗がなくなったということはよかったです。日本語学校でも留学生の進路相談はありますので、進路に関する知識があるということも今後役に立つと思います。また、実際の会社員経験があるからこそ「日本の会社で働くとはこういうこと」と学生に伝えられていると感じています。

-実際に教え始めたとき、それまで持っていたイメージとのギャップはありましたか。

自分は日本人でネイティブだから、学生の質問にも簡単に答えられると思っていました。でも、「~ないでほしい」と「~てほしくない」の違いを聞かれたとき、うまく答えられなくて……。実際には説明なしに「日本人はこうするから、こう言うから」と伝えるしかないことがたくさんありますね。そういうところは本当に難しいと思います。それに、自分で望んで日本に来た学生だから、日本の習慣や考え方は理解できるだろうと思っていたんですが、そういうわけでもなかったり……。日本語を教える以前にサポートしなければいけないことがあると気が付きました。

固定観念に縛られない教師に

-教えていて、やりがいを感じるのはどんなときですか。

学生が教えた文法を使って、何かを話してくれたとき。成長を感じられるときはうれしいです。それから、課外活動などに参加した学生が「今日の遠足楽しかった!」と、伝えてくれるときは、日本語教師になってよかったと思う瞬間です。せっかく日本に来たのだから、少しでも日本の生活を楽しんでほしいですね。

-これからどんな日本語教師になりたいですか。

「これはこうあるべき」というような自分の固定観念に縛られることなく、いろいろな情報を取り入れて幅広く教えられる教師になりたいと思っています。今ちょっと着物の勉強をしたりしているんですが、それ以外にもオンライン授業のこととか、介護とか、語学とか勉強したいです。

-今までコロナ禍で制限されていましたが、これから本格的にスタートですね。

はい、課外活動なども小規模にしか実施できていなかったので、校内イベントも進められるようになりたいです。あとは学生の進路のことなど、専任講師としてしっかり経験を積んで学んでいきたいと思います。

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