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学習者の出身国について知ろう!-②台湾

皆さんが日本語を教えている学習者はどこから来ていますか。学習者の出身国、出身地域についてどれぐらい知っていますか。日本語や日本文化を教えるだけでなく、学習者の国や文化にも関心を持ち、少しでも知っておくと、思いがけない会話のきっかけになったり、学習者の考え方を知る手掛かりになったりすることもあるかもしれません。今回は台湾についてご紹介します!

台湾の基本情報

国名 中華民国(台湾)

首都 台北

人口 約2千3百万人

宗教 憲法により信仰の自由が認められている。

   仏教、道教、キリスト教など、様々な信仰を持つ人がいる。

言語 中国語(北京語)

   古くから台湾語(閔南語)、客家語、少数民族の言語なども使われている。

台湾は歴史的に日本との関わりが深く、日本統治時代に日本語教育を受けた高齢者の中には日本語が上手な人もいます。中国、韓国と並び、多くの人が日本語を学習し、留学生として日本を訪れています。また、日本から観光旅行で台湾を訪れ、リピーターとなる人も多いようです。

意外と寒い!?台湾北部の冬

台湾に「光降り注ぐ南国」のイメージを持っていませんか?熱帯地方に属する南部は確かに年間通して暖かいですが、首都台北のある北部は短いとはいえ冬があります。気温は日本の冬ほど下がることがありませんが、逆にそこが盲点。寒さ厳しい地方でないためにドアの上部や下部に隙間があったりして、基本的に寒さを考慮した建物の造りになっていないのです。つまり、屋外よりも部屋の中が寒い。

暑い地域なのでエアコンはありますが、エアコンは冷房のみで暖房機能がついていないことが多いのです。しかし、湿度が高いからなのか換気(空気の循環)を気にする台湾人は寒くてもエアコンをつけたがるそうです。冬に台湾北部の日本語学校を訪れたら、上半身はモコモコのダウン、足元は素足にビーチサンダルという謎の台湾冬スタイルの学生の姿を見られるかもしれません。

台湾の日本語学習者

東アジア、東南アジアの学習者は「まじめでよく勉強する」と言われますが、台湾も例外ではありません。また、儒教の文化が根底にあるので先生を尊敬します。ただ、学生は朝から晩までとにかく勉強一筋という中国と比べると、台湾は日本に近く、とても熱心に勉強する人もいる反面、趣味として気軽に楽しんでいる人も多いようです。

台湾では昔から日本語学習が盛んであることはよく知られています。日本台湾交流協会が2019年2月に実施した世論調査では「最も好きな国」として日本と答えた人が一番多かったそうです。また、日本語は英語に次いで学習者が多い外国語です。台北を始め、大きな町には日本語学校もあり、あちこちに日本のお店が出店しているため、日本の食品や化粧品も手に入るということです。日本は台湾にとってとても身近な国のひとつと言えるでしょう。

日本の名前が欲しいです

日本語学習のきっかけ、動機は以前に比べて多様化してきたようですが、それでも日本のアニメ、ゲーム、歌、ドラマ、アイドルが好きで日本語を勉強しているという人がたくさんいます。台湾も例外ではなく、日本のことにやたら詳しく中には超マニアックな人もいます。ところで、台湾の学習者で「ダニエルです」「キャサリンです」などイングリッシュネームを持っている人に会ったことはありませんか。あれは自分で好きな名前を付けたり、学校の英語の先生に付けてもらったりするそうです。そして、せっかく日本語を勉強しているのだからと日本語の名前を使う人もいるようです。台湾で教える日本人の先生たちは日本語の名前を付けてほしいとリクエストされることも。もしかしたら日本の有名人の名前や人気のあるアニメのキャラクターの名前を名乗る学習者に出会うこともあるかもしれませんね。

中国語とは違う?台湾語って?

台湾で公用語として使われているのは中国語(普通語)ですが、台湾語も使われています。

「ニーハオ」「シェイシェイ」など中国語の挨拶は誰でも一つ二つ知っているものですが、台湾語ってそれとは全然違うのでしょうか。

台湾人なら誰でも台湾語が話せるわけではなく、年代や住んでいる地域、個人のルーツなどによって使用状況は異なります。特に若い世代は台湾語で話す機会が減っているようです。しかし、以前台湾で日本語を教えていた先生の話によれば、教室で誰かが台湾語を使うとその場が和やかになったり、笑いが起きたりしたそうです。台湾語には今でも台湾人をつなぐ独特のニュアンスが残っているのかもしれませんね。

 こんにちは リーホー

 ご飯食べた? ジャパーボエ?

 おいしい ホージャー

 私は日本人です。 ワーシージッブンラン

中国語の四声も十分すぎるほど難しいのに、台湾語は声調が8種類もあるそうです。ですから、なかなか正しく発音するのは難しいでしょう。でも、上にご紹介したような台湾語をひとつふたつ覚えて、ここぞというときに使ってみたら「先生、台湾語がわかるの!?」と驚いてくれるかもしれません。(教室でニーハオと言っても誰も感心してくれませんよね。)あとは学習者によく使う台湾語を教えてもらったら楽しいのではないでしょうか。

いかがでしたか。最後にひとつアドバイスを。台湾人(もちろん中国や漢字圏の)学習者がいるクラスに入る前には必ず漢字のチェックを忘れずに!最近は板書の機会も減りましたが、うっかり度忘れしてしまったり、間違えて書いたりするとすかさず指摘されます。

担当クラスにたくさんの学生を持つ先生たちにとって、学習者の出身国や地域、言語をひとつひとつ詳細に勉強するのは現実的ではありません。しかし、相手のことに興味を持ち、教師側からも「知りたい、教えてほしい」というシグナルを送ることで、学習者にも「伝えたい」という気持ちを芽生えさせることは可能なのではないでしょうか。学習者の出身国や地域、言語についてのちょっとした知識は、会話を始めるきっかけになることもあるはずです。授業以外の時間でも機会を見つけてぜひ話しかけてみてください。